30代からの履歴書に「得意科目」欄はいらない。フォームの選び方

履歴書の基本

転職を何度か経験した方の履歴書の「得意科目」の欄に「国語や算数」。こういう履歴書が、ときどき届きます。

こんにちは、めくると申します。中小企業で採用の仕事を10年以上担当し、今も毎月50件ほどの履歴書に目を通しています。

学校を卒業して10年近くたつ30代の方なら、得意科目を書く履歴書は使わなくて大丈夫です。 その欄のかわりに、これまでの仕事を伝えられる様式を選んでください。

得意科目の欄は、学生向けの様式にあります

履歴書の様式(フォーム)には、いくつか種類があります。

「得意科目」や「学生時代に力を入れたこと」の欄があるのは、いまから学校を卒業する人向けの様式です。仕事の経験がまだない人でも、自分のことを書けるように作られています。

社会人になって何年もたった方が使うと、得意科目の欄が場所を取るぶん、志望動機や自己PRの欄が小さくなります。

届いた書類を見て、私が思うのはこういうことです。

手元にあった用紙を、そのまま使ったのかな。
これまでの仕事のことを、もっと読みたかった。

用紙の選び方から、準備にかけた手間が伝わってしまいます。そのうえ、いちばん伝えたいはずの仕事の話を書く場所が減るのは、もったいないことです。

転職なら「転職者用」を選ぶ

文房具店の履歴書にも、パソコンのテンプレートにも、「転職者用」と書かれた様式があります。

  • 職歴を書く行が多い
  • 志望動機や自己PRの欄が大きい
  • 得意科目の欄がない

これまでの仕事と、応募先で活かせることを書くための形です。30代からの転職なら、まずはこれを選んでみてください。

パソコンやスマホで作る方は、テンプレートやアプリの中から「転職者用」を選べます。作り方の手順は、こちらの記事を参考にしてください。

国の「様式例」も使えます

厚生労働省も、履歴書の様式例を公表しています(2021年)。厚生労働省のホームページなどから、無料でダウンロードできます。

この様式例には、次のような特徴があります。

  • 性別の欄は、書くかどうかを自分で選べる
  • 通勤時間・扶養家族・配偶者の欄がない
  • 「印」の欄がない

応募する側が書かなくてよいことを、はじめから尋ねない形になっています。書く欄が多い様式ほど、「ここは何と書けば…」と手が止まる場面も増えます。欄がなければ、その迷いもありません。

「好きな学科」は、選ばなくていい

厚生労働省の様式例には、「志望の動機、特技、好きな学科、アピールポイントなど」をまとめて書く欄があります。

ここに「好きな学科」が入っているのは、新卒の方も含めて、いろいろな立場の人が同じ様式を使えるようにするためだと考えてください。並んでいる中から、いちばん書きやすいものを選んで埋める欄ではありません。

学科のことを書いてよいのは、卒業してから3年ほどの、いわゆる第二新卒までだと私は考えています。何度か転職を経験している方は、それ以外のことを書いてください。

ところが、30代で転職を重ねてきた方が、この欄に好きな学科を書いてくることがたまにあります。

学科の話は、もう10年ほど前のことです。数ある項目からそれを選ぶと、「社会人になってから、これといった経験をしてこなかったのかな」と受け取られてしまいます。

もったいない例
好きな学科は国語です。本を読むことが好きで、文章を書くことも得意です。

直した例
前職では、お客様からの問い合わせにメールで回答する業務を5年担当しました。
相手が一度読んで分かる文章を心がけてきました。
貴社の事務職でも、取引先とのやりとりで活かせると考えています。

どちらも、伝えている強みは「文章が得意」ということです。学生時代の話を、仕事で使ってきた力に置きかえるだけで、読む側に届く中身が変わります。

なお、得意科目の欄がある用紙で、もう書いてしまったという方も心配はいりません。ほかの欄に、アピールしたいことや志望動機がしっかり書けていれば、問題はありません。

様式を選ぶときに見る3つの欄

用紙を買う前、テンプレートを選ぶ前に、次の3つの欄を見比べてください。

職歴欄の行数。 転職の回数が多い方ほど、ここが大事です。行が足りないと、1行に詰め込んだり、欄の外にはみ出したりして、読みにくくなってしまいます。職歴欄の書き方そのものは、こちらの記事でまとめています。

志望動機・自己PRの欄の広さ。 あなたのことがいちばん伝わる場所です。広いほうが、仕事の経験を具体的に書けます。

「印」の欄があるかどうか。 欄がなければ、押すべきかどうかで迷うこともありません。押印欄のある様式を使うときの考え方は、こちらの記事でお話ししています。

今日のチェックポイント

用紙やテンプレートを選ぶ前に、次の5点を見ておきましょう。

  • 得意科目など、学生向けの欄がある様式を使っていないか
  • 職歴欄の行数が、ご自分の職歴に足りているか
  • 志望動機・自己PRの欄に、十分な広さがあるか
  • 押印欄がついていない様式か
  • まとめて書く欄に、学科ではなく仕事の経験を書いたか

履歴書の用紙は、どれも似たように見えるかもしれません。

けれど、どの欄が広いかで、伝えられることの量が変わります。 書き始める前に、一度だけ見比べてみてください。

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