「何社も受けているので、同じ履歴書を使っています」
「毎回書き直していたら、とても間に合いません」
こんにちは、めくると申します。中小企業で採用の仕事を10年以上担当し、今も毎月50件ほどの履歴書に目を通しています。
履歴書の土台を使い回すこと自体は、悪いことではありません。
学歴や職歴、資格の欄は、どの会社に出しても同じです。毎回一から書く必要はありません。
しかし、応募先ごとに直すべきところが、前の応募先のまま残っていないかをチェックする必要はあります。
前の応募先の「名残」が、そのまま届く
何社も使い回しているなと伝わるのは、書類のあちこちに前の応募先の名残が残っているときです。
たとえば、こんな書類です。
もったいない例
求人は一般事務。
志望動機には「利用者様一人ひとりに寄り添う介護を」と書いてあり、
本文の中には「貴院の理念に共感し」という一文がある。
読んだ瞬間に、こちらは2つのことを考えます。
ひとつは、この書類はもともと介護施設や病院に出すために作られたものだということ。もうひとつは、本当はそちらで働きたいのかもしれないということです。
ご本人は、事務の仕事にも本気で応募しているのかもしれません。ただ、この書類からはそれが伝わりません。
直した例
志望動機を、応募先の事務の仕事に合わせて書き直した。
「貴院」を「貴社」に直し、介護の話は「利用者の方の話を丁寧に聞いてきた経験」として、事務の電話応対に対するアピールに結びつけた。
経験そのものは同じです。どの仕事に向けて書くかを変えただけで、受け取られ方がまったく違ってきます。
応募先の呼び方を確かめる
名残の中でも、いちばん目につきやすいのが応募先の呼び方です。
応募先の種類によって、書類で使う言葉が変わります。
| 応募先 | 書類での呼び方 |
|---|---|
| 会社(株式会社・有限会社など) | 貴社 |
| 病院・クリニック | 貴院 |
| 学校 | 貴校 |
| 銀行 | 貴行 |
| 介護施設・保育園など | 貴施設・貴園 |
| 社団法人・財団法人・社会福祉法人など | 貴法人 |
履歴書や送付状など、書類では「貴」を使います。 面接のように話すときは「御社」「御院」のように「御」を使います。
呼び方が1つ違うだけで、前にどこへ応募していたのかが伝わってしまいます。直し忘れやすいところなので、提出前に必ず見てください。
紙の状態にも、使い回しは出る
中身だけでなく、紙そのものからも伝わります。
紙がしわになっている、文字がにじんでいる。 一度書いたものを長く持ち歩いたり、何度も出し入れしたりすると、どうしてもこうなります。
写真にしわや折れ目がある。 一度剥がした写真は、表面にしわが入ったり、角がめくれたりしがちです。貼った状態でも、表から見て分かります。
防ぐ方法は簡単です。書き終えた書類は、すぐにクリアファイルに入れておいてください。 折れやしわ、汗や水滴によるにじみを防げます。
写真は、応募のたびに新しいものを貼るのが基本です。焼き増しをしておけば、剥がして使い回す必要がありません。新しい写真が手元になく、どうしても写真を使いまわしたい場合は、絶対に写真にシワが入っているものは使用しないでください。
日付だけを修正テープで直した跡が目に留まりやすいのは、これと同じことです。
修正テープの跡がどう見えるかは、こちらの記事でお話ししています。
志望動機は、その会社のことを1つ入れる
志望動機は、使い回しがいちばん伝わりやすい欄です。
「御社の理念に共感し」「成長できる環境で働きたい」。こうした文は、どの会社に出しても通用します。 通用するのは、どの会社のことも書いていないからです。
1つでいいので、その会社でなければ書けないことを入れてください。求人票にある仕事内容、扱っている商品、地域での役割。どれか1つに触れるだけで、「うちに向けて書いてくれた」と伝わります。
出す前に、名前で検索する
データで作っている場合は、確認の方法があります。
文書の中を、前に応募した会社の名前で検索してください。 見つからなければ大丈夫です。
あわせて、「貴院」「貴校」「貴施設」など、今回の応募先に当てはまらない呼び方でも検索してみてください。目で読み返すより、ずっと確実に見つかります。
手書きの場合は、日付と会社名、志望動機、呼び方の4か所だけでも、指でなぞりながら読み返してください。
今日のチェックポイント
提出する前に、この6つで確認してみてください。
- 志望動機が、今回の応募先の仕事に向けて書かれているか
- 前の応募先の会社名が残っていないか
- 呼び方が応募先に合っているか(貴社・貴院・貴校など)
- 紙にしわ・にじみがないか
- 写真にしわや折れ目がないか
- 日付が今回の提出日になっているか
土台は使い回して構いません。
ただ、最後にその会社のために手を入れた跡は、読む側にちゃんと伝わります。


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