退職の行を省略しない。職歴欄の正しい書き方

履歴書の基本

「入社した年月を書けば、伝わりますよね」

「辞めたことは、わざわざ書かなくてもいいのでは」

こんにちは、めくると申します。中小企業で採用の仕事を10年以上担当し、今も毎月50件ほどの履歴書に目を通しています。

職歴欄で、退職の行が書かれていない履歴書が届くことがあります。

入社の行はあるのに、そのあとが続いていない。次の会社の入社の行が、すぐ下に並んでいる。こういう書き方です。

書いたご本人にしてみれば、辞めたのは当たり前のことなのだと思います。ただ、読む側にはそこが分かりません。

退職の行がないと、2通りに読まれます

同じ職歴欄でも、行が1つ抜けるだけで受け取られ方が変わります。

もったいない例
2015年4月 〇〇株式会社 入社
2019年4月 △△株式会社 入社

直した例
2015年4月 〇〇株式会社 入社
2019年3月 一身上の都合により退職
2019年4月 △△株式会社 入社

もったいない例のほうを読むと、こちらは2つの可能性を考えます。

1つめは、書き忘れ。 単に退職の行を書き落としただけ、という読み方です。

2つめは、今もその会社に在籍している。 〇〇株式会社を辞めずに、△△株式会社でも働いている。つまり兼業しているのかもしれない、という読み方です。

どちらなのかは、書類からは分かりません。分からないことは、面接で確認するしかなくなります。 そして確認の手間が増えるぶん、読む側の集中は経歴の中身から離れていきます。

退職の行を1行足すだけで、この迷いはなくなります。

兼業しているときは、その行に添える

2つの会社で同時に働いている場合は、分かるように書いておいてください。 在職中であることを示す「現在に至る」に、添える形で書きます。

2015年4月 〇〇株式会社 入社
現在に至る(△△株式会社と兼業)

隠す必要はまったくありません。むしろ、書いていないほうが「退職の行の書き忘れかもしれない」と迷わせてしまいます。

退職の理由は、履歴書には書かない

退職の行に書くのは、年月と「退職」という事実だけで十分です。

「一身上の都合により退職」という書き方が一般的ですが、これ自体は理由を説明したものではありません。それ以上の事情を、履歴書の職歴欄に書く必要はありません。

辞めた経緯を伝えたい場合は、職務経歴書のほうに書いてください。 履歴書の職歴欄は、いつどこにいたかを並べる場所です。

在職中なら「現在に至る」と書く

今の会社に勤めながら応募する場合は、最後の行をこう書きます。

2019年4月 △△株式会社 入社
現在に至る

これで、今も在籍していることが伝わります。

退職の日が決まっているなら、そこまで書いてください。

2019年4月 △△株式会社 入社
現在に至る(2026年〇月〇日 退職予定)

採用する側は、いつから来ていただけるかを必ず考えています。退職の予定が書いてあると、入社時期の見通しが立ちます。面接でも、その前提で話ができます。

まだ退職を申し出ていない段階なら、無理に書かなくて構いません。決まっていることだけを書いてください。

会社名は「(株)」と略さない

細かいようですが、職歴欄でたまに見る書き方です。省略せず正しい書き方をしてください。

よく見る書き方 正しい書き方
(株)〇〇商事 株式会社〇〇商事
〇〇工業(株) 〇〇工業株式会社

「株式会社」が社名の前にあるか後ろにあるかも、会社によって決まっています。 求人票や会社のホームページで確認して、前株と後株を間違えないように書いてください。

派遣で働いていた場合

派遣で勤務していた期間は、雇い主である派遣会社を書きます。 そのうえで、どこで働いていたかを添えると分かりやすくなります。

2016年4月 株式会社〇〇スタッフ 登録
△△株式会社にて一般事務に従事
2018年3月 派遣期間満了により終了

給与を支払っていたのは派遣会社なので、そこが職歴の主体になります。

短期間の職歴も、省略しない

数ヶ月で辞めた仕事を書くかどうか、迷う方は多いと思います。

基本は、書いてください。

ただ、短期のアルバイトやパートをいくつも重ねた時期があると、1行ずつ書いていては職歴欄が足りなくなります。その場合は、まとめて書いて構いません。

2018年4月〜2019年3月 接客・仕分けなどのアルバイトに従事

この書き方なら、空白の期間を埋める材料にもなります。

困るのは、隠す目的でまとめてしまうことです。

こちらが気づかないまま進むこともあります。ただ、あとで分かった場合は、履歴書に事実と違うことが書かれていたという扱いになります。

選考中なら不採用になりますし、入社後に分かれば「気をつけて見ておいたほうがいい人」という見方をされてしまいます。

書くか書かないかで迷ったら、書いておくほうが安全です。

最後に「以上」と書く

職歴を書き終えたら、次の行の右側に「以上」と書きます。

2019年4月 △△株式会社 入社
現在に至る
以上

これで職歴欄が終わったことが分かります。書かれていないと、「まだ続きがあったのに書ききれなかったのかな」と思われることがあります。

今日のチェックポイント

ご自分の職歴欄を、この6つで確認してみてください。

  • 入社の行に対して、退職の行がそろっているか
  • 在職中なら「現在に至る」と書いたか(退職予定があれば、それも)
  • 兼業している場合、分かるように書いたか
  • 会社名を「(株)」と略していないか
  • 短期間の職歴を、隠す目的で省いていないか
  • 最後に「以上」と書いたか

職歴欄は、あなたのこれまでを時間の順に並べるだけの場所です。

足りない行がないか。それだけ見直してみてください。

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