長所の欄に「真面目な性格です」。そのすぐあとに、「真面目すぎるところは、短所でもあります」。
こうした書き方を、書類の中でよく見かけます。
こんにちは、めくると申します。中小企業で採用の仕事を10年以上担当し、今も毎月50件ほどの履歴書に目を通しています。
書いた方は、自分のことを包み隠さず、丁寧に伝えようとしてくれたのでしょう。とても真面目です。けれど、その一文で、せっかくの長所が弱くなってしまっています。
長所の欄で、短所を打ち明けなくていい
「短所でもあります」と書き足すと、読む側の印象に残るのは、後半のほうです。
真面目なのはいいけれど、融通がきかないのかな。
決められたこと以外は、頼みにくい人だろうか。
長所として書いたはずの「真面目」が、本人の言葉で打ち消されてしまいます。
長所の欄は、あなたの強みを伝える場所です。そこで自分から弱みに触れる必要はありません。
短所の欄に書く場合は、話が別です。そのときは、言い換えたうえで、工夫していることを短く添える書き方をしてください。言い換えの例は、こちらの記事にまとめています。
「真面目です」だけでは、ほかの応募者と並んでしまう
もう一つ、採用する側の事情もあります。
長所に「真面目」と書く方は、とても多いのです。言葉だけでは、ほかの応募者と区別がつきません。
採用側が知りたいのは、「真面目な人かどうか」よりも、その真面目さが、仕事のどんな場面で表れていたかです。
「真面目」という言葉を使わずに書く
いちばん伝わるのは、「真面目」という言葉を使わず、していたことだけを書く方法です。
真面目さが表れるのは、ほかの人が手を抜きがちな場面です。毎日の記録や日報、毎月くり返す入力や照合。慣れてくると確認を省きたくなる仕事を、変わらず続けてきたかどうかです。
もったいない例
真面目な性格です。真面目すぎるところは短所でもありますが、任された仕事は最後までやり遂げます。
直した例
前職では、毎月の請求データの入力と照合を5年担当しました。
慣れた仕事ほど確認がおろそかになりやすいため、毎回同じ手順で照らし合わせることを続け、入力ミスによる差し戻しを出さないようにしました。
直した例には、「真面目」という言葉が一度も出てきません。それでも、読む側にはこの人は手を抜かないと伝わります。
日報などの毎日の記録でも同じです。「忙しい日も、必ずその日のうちに記録を残してきました。提出期限に遅れたことはありません。」と書けば、それだけで真面目さが伝わります。
融通がきかないと思われないために
真面目さを書くうえで避けたいのが、「言われたことしかしない人」に見えることです。
手順を守ってきたことに加えて、気づいたことを相談して、やり方を変えた経験があれば、一文添えてください。
たとえば、「照合の途中で同じ確認を二度していることに気づき、上司に相談して手順を一本化しました」。
こう書いてあると、手順を守れるうえに、必要なときには改善もできる人だと受け取ってもらえます。
「誠実」「責任感がある」も同じ
「誠実です」「責任感があります」も、長所の欄でよく見る言葉です。
これらも、「真面目」と同じように、言葉だけでは伝わりません。 誠実さや責任感が表れた行動に置きかえて書いてください。
たとえば「責任感があります」なら、次のような場面に置きかえられます。
- 発送後に宛先の誤りに気づいたときは、すぐ上司に報告し、その日のうちに先方へおわびと再送の手配をしました。
- 担当を離れるときには手順書を作り、後任の方が一人で進められるようになるまで引き継ぎを続けました。
1つめは、自分のミスに気づいたあとの動きです。2つめは、自分が担当を離れたあとのことまで考えて動いた場面です。うまくいった話でなくても構いません。
行動が書いてあれば、読む側が自分で「責任感のある人だ」と受け取ってくれます。
今日のチェックポイント
長所の欄を読み返しながら、次の5点をチェックしてみましょう。
- 長所の欄で、「短所でもあります」と書き足していないか
- 「真面目です」の一言で終わっていないか
- 手を抜きがちな仕事を、変わらず続けてきたことを書いたか
- 手順を守るだけでなく、相談して改めた経験も添えたか
- 「誠実」「責任感」も、行動に置きかえたか
真面目さは、書類の上では言葉より行動のほうが伝わります。
「真面目です」と書く代わりに、真面目に続けてきたことを1つ書いてください。 それが、いちばん確かな長所の伝え方です。


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